中村かほる(楽琵琶・舞)
Kahoru NAKAMURA, Gaku-biwa and Mai(Dance)
国立音楽大学在学中、世界最古の琵琶譜、天平琵琶譜「番假崇」(芝祐靖氏復曲)の演奏に出会い雅楽を学ぶ。龍笛を芝祐靖氏、楽琵琶・右舞を山田清彦氏に師事。2000年度文化庁新進芸術家国内研修員。伶楽舎所属。伶楽舎のメンバーとして、また、その他のアンサンブル、ソロで、1990年より国立劇場を始めとする、国内外の様々な音楽公演等において、琵琶・舞に携わっている。
雅楽の合奏における楽器本来の演奏はもとより、楽琵琶のソロ楽器としての新たな可能性や魅力を追求するため、早くから独自の活動を開始。2002年よりコンサートシリーズ「琵琶・舞」開催。2015年1st.CDアルバム「ゆすら」発表。2016年「楽琵琶ソロコンサート~ Playing the Gakubiwa~」を開催。2018年には、作曲家・石田多朗氏が展覧会「ブラジル先住民の椅子」(東京都庭園美術館)の会場音楽を中村かほるの楽琵琶のために作曲。その録音は展覧会の全期間、会場で流され、来場者に新鮮な驚きを与えた。
舞の分野では、1990年以降、主に伶楽舎公演において、国内、米国、英国、ヨーロッパ、アフリカ等の様々な音楽祭で「還城楽」「納曾利」「抜頭」「貴徳」といった古典舞楽を舞う。1998年黛敏郎作曲バレエ音楽「BUGAKU」で新日本フィルハーモニー交響楽団と共演。2012年コラボレーション舞楽「納曾利」で韓国国立釜山国楽院と共演。2015年韓国国立国楽院(ソウル・釜山)にて「落蹲」を舞う。また、あらたな舞の作舞にも取り組んでおり、芝祐靖作品「露台乱舞」(1995年)、「瑞霞苑」(2005年)では作舞と舞を担当し、好評を博した。
楽琵琶での雅楽古典及び現代作品の演奏以外にも、正倉院復元楽器(五絃琵琶・阮咸)の演奏も行う。また、音楽・文学研究者らと共に、廃絶された楽琵琶秘曲・独奏曲の復元プロジェクトにも演奏者として携わっている。2015年より笙の石川高と「笙と琵琶だけの雅楽プロジェクトkishun」を開始。笙と琵琶という稀有な組み合わせで、雅楽をたのしむ小音楽会やお稽古会などを開催している。
ソロCDに「ゆすら」(Greenfin Records)、参加CDに「楽器は東へ西へ 琵琶とマンドリン」(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団)、「あそび」(石田多朗)がある。